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資料-9 生体組織の保存に向けた予備試験

 

平成8年度〜10年度の国と沖縄県による融合化開発促進事業の研究助成を受けて、平成9年6月より深層水を調合した溶液ないしその溶液を凍結した氷により魚(主にカッオとマグロが中心)を材料にして鮮度保持の実験を進め、その年の10月には19トンのマグロ漁船、製氷会社の協力のもと本格的な実施試験を繰り返してきた。結果は良好であった。鮮度保持のメカニズムの解明には、科学的な試験を必要とし、単に溶存物質のみならず海水そのものの物性的な解明に向けたアプローチが待たれる。

以下の項は、生体組織の保存に向けた予備的位置づけの各種試験結果をまとめたものである。(平成11年度地域産業総合支援事業調査研究委託報告書[財団法人沖縄県産業振興公社]より抜粋)

 

3.4.1 マウス摘出肝に対する影響

試験名:マウス摘出肝に対する深層水(Deep sea water:DSW)含有鮮度液の影響

試験者:琉球大学医学部病理学第一講座 教授伊藤悦男

目的:摘出されたマウスの肝組織を鮮度液(Deep sea water:DSW)及び蒸留水(Aqua distinata:AD)に漬けて冷蔵保存し、肝組織の経時的変化を観察・比較する。

方法:臓器を浸漬して保存するための試薬として、対照群には当研究室で作成した脱イオン水を用い、実験群には沖縄県海洋深層水開発協同組合より提供された深層水(Deep sea water:DSW)含有液「鮮度液」を用いた。

実験用の肝臓は成熟マウスを頸椎脱臼により屠殺して摘出した。肝は直ちにDSW及びADに浸漬されて冷蔵庫(4℃)で保管された。その後、下記スケジュールの如く一定日数経過後10%ホルマリン液に固定し、パラフィン包埋後、組織標本を作製した。

摘出肝(平成12年3月3日屠殺)をDSW(実験群)あるいはAD(対照群)に入れて冷蔵保存(4℃)し、以下の日程でホルマリン固定した。

1] 1日後(3月4日)

2] 3日後(3月6日)

3] 5日後(3月8日)

4] 7日後(3月10日)

5] 10日後(3月13日)

6] 14日後(3月17日)

 

 

 

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