長野県看護大学における高齢者水中運動教室の取り組み
野坂俊弥*、野口利香**、那須裕*
*長野県看護大学、**フリー
I はじめに
われわれは平成7年度から駒ヶ根市を中心にした地域の高齢者を対象として健康と日常生活に関する調査を行い、高齢者の意識や生活の質について検討し、高齢社会における健康問題の解決への方向性を探求してきた。その結果から、高齢者においては安全で効果的な運動習慣を獲得することの重要性が示された。
習慣的な運動は生理学的効果だけでなく心理学的、社会学的にも効果があることが認められている。特に高齢者が健康増進を目的として行うのであれば水中運動が適しているとされている。それには、水中での運動は流体抵抗により陸上における同様の運動に比べて負荷が大きく、浮力により主として下肢の力学的負担が低いこともその要因として考えられる。
そこでわれわれは、地域の高齢者にウエルラウンドエクササイズとしての水中運動に参加する機会を提供し、ライフスタイル、健康度、および体力の変化を観察することを目的に本研究を行っている。ここではそのプロジェクトの内容と経過について報告する。
II 方法
1)期間:平成11年11月または平成12年4月〜現在継続中
2)対象:本教室の趣旨に同意した高齢ボランティア37名(男性11名、女性26名)
3)スタッフ:医師1、看護婦7、薬剤師1、健康運動指導士2 ほか
4)測定項目
A.教室参加前
1] 健康診断:服薬、既往歴、現症、健診の受診状況、食習慣、運動習慣、睡眠、喫煙・飲酒の状況、本教室への期待、日常生活の意識と行動
B.教室の前後
1] 問診:発熱・倦怠感・食欲・下痢・頭痛・胸痛・関節痛・疲労感・悪寒・めまいの有無、睡眠の程度
2] 血圧:収縮期圧、拡張期圧
3] 脈拍
C.三カ月ごと
1] 体脂肪率
2] 重心動揺:外周面積(ENVa)
3] 加速度脈波
4] 長座位体前屈
5] 健脚度:40cm踏み台昇降、最大一歩幅、10m全力歩行
5)運動指導
A.環境
25m×5コース・温水プール
室温:29〜32℃
水温:29〜31℃
水深:100〜120cm
B.内容
ウォーミングアップ(10分)
水中ウォーキング(50分)
ストレッチ
ゲーム遊び
筋力トレーニング
バランス運動・リズム運動
クーリングダウン
マッサージ
III 結果
1)測定項目の変化
現在分析中
2)その他の効果
関節痛の低減、爽快感の獲得、疲労感の低減、疲労感の増大、運動習慣の獲得。家庭からの解放、生きがいの創出
IV 今後の課題
1)意識・行動変容の検討
2)対象の拡大
3)男性参加者の増加
4)本教室の自立存続