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一方、教育視察団や学者を派遣し、外国から専門家や教師を招聘している。

中国の教育関係者は、各国の教育関係者、学術分野と広範な連携を結び、学術交流を活発化させ、相互理解と友情を増進している。

最近の統計でみれば、1年間に中国は、世界54ヵ国から各分野の優秀な専門家8万人を招聘し、また、外国の優れた管理、技術を学ぶために、4万人の幹部、管理者、技術者、労働者を研修のために外国へ派遣している。

中国が招聘する外国の専門家のうち1.5万人が中国の大学やマスコミ関係者で、そのうち2,526人が日本人専門家で、これはアメリカ合衆国に次ぐ数である。

 

2. 日本語教育の現状

中国に於ける日本語教育が盛んになったのは78年の改革・開放政策以来のことで、88年にはピークに達し、その後「英語」が国際語としての地位を確立するにつれて、減少の傾向にある。

94年の統計によれば、中等学校における日本語学習者が16万人、大学(専攻・非専攻)7.8万人、成人教育機関(テレビ・ラジオ・通信教育を含む)での学習者が8万人で計32万人という数字が掲げられているが、実際は数百万人とも言われ、誰もその実数は把握できていない。

中等学校での外国語教育は一科目であり、その多くが「英語」を選択している結果、日本語学習者は英語の240分の1にしか過ぎないが、これが大学となると外国語の第1は英語であるとしても、日本語は外国語専攻者で英語の11分の1、非専攻者で15分の1で、勿論、地域によって異なるが、ドイツ語、フランス語、ロシア語などを抜いて、英語に次ぐ位置を占めている。

中国の1040余の大学のなかに、日本語学部または日本語学科を設置している学校は約70校だが、それ以外にも、第1外国語または第2外国語として日本語教育を行っている大学も数多くある。

また、一部の大学では、様々な日本語訓練センターを創り、社会人や日本企業に就職する人、日本へ研修または留学予定の人々を対象に日本語教育を行っている。

日本語教師も、国際協力事業団・青年海外協力隊から毎年25名程度、日本シルバーボランティアズから10名以内、東京、神奈川、三重、奈良、長崎などの各教育委員会から若干の現職教師を招聘しているが、最も多いのは日中技能者交流センターからの派遣教師で、毎年100名内外の招聘となっている。

なお、日本の国際交流基金は、北京、瀋陽、長春、上海、広州などに於いて、毎年、「日本語能力検定試験」を行っている。

以上

 

(元 中国国際人材交流会・日本国駐在事務所代表

現 中国国家外国専家局)

 

 

 

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