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LPクリニクだより

 

日野原先生を囲んで、維持会員(LPCの活動に賛同し、経済的に支援してくださる方の会)の集いが開催されました。

 

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恒例の個人維持会員の集いが5月31日(水)に笹川記念会館で開催されました。岡確兩汽薀ぅ奸Ε廛薀鵐縫鵐亜Ε?螢縫?蠶垢琉Щ△?蕾饋??呂泙蝓?餔?Σ搬イ48名、財団内部職員9名の合計57名が一堂に会しました。今回の記念品は日野原理事長の近著『道をてらす光−私が学んだ人と言葉』でした。

 

高齢者の健康管理のポイント

会食後は日野原理事長の講演と懇談の時となり、参加メンバーのうち90代の最長老、若林健さんが持参されたご自分の今日まで20年間つけられた健康記録表(主要事項・健康・旅行・思い出等)をもとに高齢者の健康管理の7つのポイントをお話しくださいました。

1] 病気をきっかけに健康の自己管理が深められるか。

2] 医師に上手にかかるためにデータを記録できるか。

3] 回復のための計画的健康管理(目標設定)をたてられるか。

4] 投薬内容が正しいかチェックをしてもらえるかかりつけの医師、薬局があるか。

5] 親友・重要人物の死に接したときどう対処するか。

6] 苦難を分かち合う人がいるか。

7] 新しいことに取り組む意欲があるか。

等が問題になると話されました。

 

新老人運動とは

次に、今秋旗上げする新老人運動について日野原先生が話され、新老人について次のような定義をされました。

1] 子育て・職業生活を終わる還暦・定年後の第2の人生は約20年間あるが、この時代はそれまでの義務・責任上の生活から解放されて、自分自身の道を歩むことができる。

2] 75歳まで生きられる人は、もともと健康な人なので、その後の第3の人生をそれぞれの慢性疾患を抱えつつも、新しい働きが可能である。

3] 現在第3の人生を歩んでいる人は第二次世界大戦を経験しており、“simple living…but high thinking”(ワーズワース)を経験している。

4] 日本の負の文化である戦争体験を次の世代に伝えることができる。

5] 世界最長寿国である日本で、高齢者がどう生きているかを世界にアピールすることができる。

6] 与えられた命に対する感謝をこの世に返す意味で、この運動に参加する。

7] 社会問題にその豊かな経験から発言できる責任感と勇気を持つ。

運動の内容は、下記の通りです。

a. 文化を継承するために働きかける。

b. 第二次世界大戦の証人として戦争の悲惨さを語り、戦争を避ける必要を訴える。

c. 現行保険制度と今後の見通しから、健康の自己管理の必要を訴える。

d. 健康データを残し、今後の研究材料に提供する。

e. 子供の教育を家族に戻す働きかけをする。

f. 子供達が他の人達(年長者・友人を含め)を尊敬できるように、話し合いの場を設ける。

g. 若い人達のアイディアに負けないアイディアを出し、実現のためのキャンペーンをする。

以上のような講演の後、パンフレット「新老人―実りのある第3の人生のために」(生活医学シリーズNo.123/日野原著)が配布され、会場からは質問・感想が述べられました。また、数人の会員から新運動への共鳴と協力が約束されました。維持会員の皆様はこの運動の強力な推進者になってくださるのではないでしょうか。

最後にクリニク職員の新体制が紹介されました。

報告 山村恵美子

 

 

 

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