訪問看護ステーション干代田から24]
『ケアマネージャーって何をする人?』
所長 片山蘭子
訪問看護婦のケアマネージャーぶりも板についてきました。訪問看護ステーション千代田では看護婦3人がケアマネージャー(介護支援専門員)の資格を取り、4月からその業務を始めました。
介護保険そのものが分かり難かったり、4月1日開始寸前まで報酬など厚生省の方針が決まらなかったり等、問題の多いスタートでした。
当ステーションの利用者の中には、区から要介護認定結果を受け取りながら、理解不足でそのまま書類を放置されていた方が多く見受けられました。要介護認定結果を受け取ったら、同封されているリストから指定業者を選び、ケアプランの作成の依頼をします。利用者からの連絡に応じてケアマネージャーが訪問し、要介護度に応じたケアプラン作成をして、初めて在宅でのさまざまなサービスが受けられます。
ケアマネージャーとは、要介護認定を受けた方(自立以外)に対し、どのような介護、看護サービスを、どの位の頻度で、どの事業者から受けるか『ケアプラン』をつくるのが主な業務なのです。
この新しいケアマネージャーの機能についてまとめてみます。
1] 在宅におけるケアの質の確保
2] 利用者の安全、安楽な自立した生活への援助目標の明確化
3] 本人・家族・ケアマネージャー、サービス事業者間の調整と合意
4] 居宅サービス計画に基づいたサービス実施の確認と調整
5] 給付管理票の作成と送付(国民健康保険連合会)
以上5つを上げましたが、どれ1つとっても時間と労力を要します。在宅の利用者の自己選択と決定が優先されますから、1人のケアプラン作成までに4〜5時間を要します。さらにやっとできたプランも不満が多く再度やり直し、その度に利用者のお宅を何回も訪れることになります。
福祉は「ただ」という意識から抜けられない方も多く、1割自己負担に対する抵抗もあり、その説明に四苦八苦することもあります。
たとえば「要介護2」という判定を受けた場合、どのようなサービスと利用料金になるのでしょうか。
概算で、訪問介護(ヘルパー)…20時間/月
訪問看護…4時間/月
通所介護(デイケア)…8回/月
通所リハビリ…8回/月
福祉用具貸与・車椅子…800円/月
短期入所…3日/月
合計金額約19,400円(自己負担)
不慣れな介護関連新事業者の連絡不足、人手不足からケアプラン通りにケアが実施されないという利用者からの不満の電話が多くなりました。その調整をする訪問看護婦兼ケアマネージャーという役割は千代田にとっても新しい動きです。
これからの、訪問看護ステーションは介護保険と、医療保険両サイドの担い手として、更に地域におけるケアマネージメントの中枢機関的役割を果たしていかなければなりません。
ステーション千代田としても、24時間体制、全年齢層への対応、在宅ターミナルケア等ステーションとしての特徴を確立し、一層質の向上を目指す必要を感じます。