日本財団 図書館


表5 主要病歴ならびに現状と主訴(患者の自記)

023-1.gif

 

これからは、患者がPOSの病歴を書けるように指導していかなければなりません。このようなことは日本であってこそ可能なのです。

次は、75歳の患者さんの例です(表5)。

彼は過去3回、がんのために開腹手術を受けているだけに、自分の健康度の評価は鋭く、1965年以来1年に2回の入院の記録、しかも入院時には自分で書いた病歴や問題リストを見事に作って持ってきます。この方はたびたびの入院時には必ず自分で書いた病歴とプロブレム・リストを用意して来られるので、病院にある過去の診療記録を取り寄せなくても、患者の問題が歴然と示されているわけですから、このような患者は医師に大いに歓迎されます。この方が自分の健康状態を自己チェックしてそのデータを医師に示すということは、効率的な診療を期待しているからです。

このように考えますと、私たちがクライアントを少しトレーニングしさえすれば、必ず自分の病歴は書けるようになるのですが、当人の書きたくない点は依然解決されません。医療的なことは医師任せにしているという人が多いのですが、Subjectiveの記録を主治医に示すことによって、その人自身の健康意識のレベルが向上することも期待できるというわけです。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION