最近は、自己責任ということが強調され、自立が求められています。確かに、現代ほど自立の必要な時代はないかもしれません。それは、少子化が進み、日本の大家族的な価値観が変わってきて、自分で考え、決断をしなければならなくなってきました。黙って待っていれば誰かが何とかしてくれる社会でも家庭でもなくなっているのです。
しかし、このような社会の変化の中で求められるようになった自立を自己充足と同じ意味で理解していることが多く、このような人々は真に自立することはできません。遅かれ早かれ自己充足的な生き方は破綻するときがくるのです。そうなるとスピリチュアル・ペインを体験することになります。
2. 自己充足的な生き方の特徴
それでは、自己充足的な生き方というのは、具体的にいえばどのようなものなのでしょうか。
無責任な自由
第1は、「無責任な自由」ということです。つまり、責任の伴わない自由のことです。たとえば返済の目途のない借金を繰り返すというようなことです。返済の目途がなければ、家族や周りの人たちにも迷惑をかけるようになります。当人に代わって借金を返さなければならないとか、取り立てられて身の不安を感じるとか、さらには、家族の基本的なニーズさえ満たせなくなるとかの問題が生じるかもしれません。