提案要旨
“夢ある子育て”を願って
太田嶋裕子(静岡市・あゆみ第二保育園主任保育士)
1. 本園の概要
昭和54年に開園し定員120名。平成13年2月1日現在、乳児9名、1歳児12名、2歳児18名、3歳児34名、4歳児34名、5歳児35名の合計142名が在籍しています。地域は静岡市の東部に位置し、昭和40年代に農業地区から宅地造成されて、急激に人口が増えた新興住宅地です。市内でも人口増加率が高く、保育所入所待機児童数も多い地域です。新興住宅地ということで住人同士の地域のつながりも薄く、子育てしていく上では良い環境とはいえず、保育所の果たす役割も重要といえます。
2. 本園の子育て支援事業の取り組み
1] 公園が会場の「なかよし広場」
この事業は、昭和63年からスタートし今年で13年経ちます。保育園のすぐ近くに県営団地の公園があり、そこをメイン会場にして年間14回実施しています。公園に遊びにきている乳幼児を連れた親子と保育士、園児がふれあいながら楽しむというものです。主任児童委員をはじめ、近所の方々も応援に来て下さいます。毎回、平均20組前後の0歳から2歳くらいの子どもを連れた親子が集まります。
2] 保育園が会場の「なかよしサークル」
市内の保育園で取り組みを始めた「子育ておしゃべりサロン」という子育て支援事業を本園では「なかよしサークル」と称して実施している事業です。ミニ講演会、おしゃべりタイム、育児相談、遊びの紹介、自主的サークルへのきっかけ作り等を主な内容に取り組んでいます。
3. 今後の課題
私たちの地域でも、遊び場の減少、単親家庭の増加、育児不安その他の理由による緊急保育の利用増加、児童虐待の増加、非行など、子どもを取り巻く環境や状況が大きく変化してきています。育児相談、園庭開放、緊急保育、子育て支援事業、地域の機関との連携など、今後一層充実させていくことが求められます。子育ての中心的役割を果たす保育所としては、地域の子育て家庭にとって“夢ある子育て”ができるように支援していかなければと考えています。しかし、ますます保育所の役割が多様化多機能化していく現状の中で、本来の保育とのバランスをどう保って行くかということも深刻な問題となっています。