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はしがき

 

北太平洋西部に位置する日本では、台風の上陸や接近に伴って、高波や高潮が起こります。最近では、台風9119号や9918号によって強風・高波・高潮が起こり、海岸や港湾において甚大な災害が発生しました。台風による災害を防止・軽減するためには、台風を良く監視し、詳細な台風情報を伝達して注意を促すことが大変重要です。

台風を監視するには、衛星観測が大変有力な手段であり、近年のリモートセンシング技術の発展により、台風域内の海上風や波浪が観測できるようになりました。これらにより、今まで船舶やブイでしか観測されなかった台風域内の気象海象が精度良く把握され、さらに予報の精度向上につながるものと考えられます。

本事業は、台風に起因する波浪予測精度の向上をはかるために、衛星から観測されたデータを用いて、台風域内の海上風と波浪の特性を明らかにするために実施する調査研究であり、事業の成果をとりまとめた本報告書が、船舶の安全航行、海難防止に活かされるものと期待しています。

おわりに、調査研究を推進するにあたり、ご指導を頂きました委員の方々に厚く御礼申し上げます。

 

平成13年3月

 

財団法人日本気象協会

会長 石月 昭二

 

 

 

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