3. カーシェアリングの社会的効果と普及策…普及促進・運営支援策
1) カーシェアリングの社会的効果の検討
カーシェアリングが普及すると、一人ひとりが一台を所有する形態から、共有することにより車の絶対数が減り、今後の増加分も減少することに貢献する。そうした状況において、以下の現象が生じ、様々な効果が示される。
(1) 車の絶対量削減と抑制効果…一台の車を複数の利用者で利用することによる減少
→資源、エネルギー節約、および、ゴミの減少
→交通量の減少(一般的傾向として…実験による相関性の確認が期待される)
→都市空間利用の節減(道路、駐車場等)
(2) 車走行量の抑制…課金による使用の抑制効果
一方で、利用の機会増大で交通量の増大要因ともなりうる。増減の結果として経験的には交通量の減少となっているが、実験で検証することが重要である。
→交通量の減少
→道路空間の節減化
→他の交通モードへの転換
(3) 車利用の移動コストの減少…(ただし、交通量の増大に結びつく。)
→モビリティーの拡大
→可処分所得の拡大
以上の社会的効果を再整理すると、カーシェアリングの社会全体への効果は以下の事柄に集約できる。
I. 環境への効果
←資源、エネルギーの節減
←交通流の流動化
←大気汚染物質排出量の削減
←ゴミの減少
II. 経済効果
←交通流の円滑化
←道路、施設建設コストの削減
←土地の有効利用、建設空間の拡大(用地費)
←歩行者(消費者)の増大
←消費活動の活発化
III. 街の活性化
←車以外の都市空間(空地、敷地)の拡大
←歩行者の増大
←消費活動の活発化
←居住環境の向上