(基本方針)
第三条 主務大臣は、移動円滑化を総合的かつ計画的に推進するため、移動円滑化の促進に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めるものとする。
2 基本方針には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 移動円滑化の意義及び目標に関する事項
二 移動円滑化のために公共交通事業者等が講ずべき措置に関する基本的な事項
三 第六条第一項の基本構想の指針となるべき次に掲げる事項
イ 重点整備地区における移動円滑化の意義に関する事項
ロ 重点整備地区の位置及び区域に関する基本的な事項
ハ 特定旅客施設、特定車両、特定経路を構成する一般交通用施設及び当該特定旅客施設又は一般交通用施設と一体として利用される公共用施設について移動円滑化のために実施すべき特定事業その他の事業に関する基本的な事項
ニ ハに規定する事業と併せて実施する土地区画整理事業(土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)による土地区画整理事業をいう。以下同じ。)、市街地再開発事業(都市再開発法(昭和四十四年法律第三十八号)による市街地再開発事業をいう。以下同じ。)その他の市街地開発事業(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第四条第七項に規定する市街地開発事業をいう。以下同じ。)に関し移動円滑化のために考慮すべき基本的な事項その他必要な事項
四 移動円滑化の促進のための施策に関する基本的な事項その他移動円滑化の促進に関する事項
3 主務大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする。
4 主務大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
第二章
移動円滑化のために公共交通事業者等が講ずべき措置
(基準適合義務等)
第四条 公共交通事業者等は、旅客施設を新たに建設し、若しくは旅客施設について主務省令で定める大規模な改良を行うとき又は車両等を新たにその事業の用に供するときは、当該旅客施設又は車両等(以下「新設旅客施設等」という。)を、移動円滑化のために必要な構造及び設備に関する主務省令で定める基準(以下「移動円滑化基準」という。)に適合させなければならない。
2 公共交通事業者等は、新設旅客施設等を移動円滑化基準に適合するように維持しなければならない。
3 公共交通事業者等は、その事業の用に供する旅客施設及び車両等(新設旅客施設等を除く。)を移動円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
4 公共交通事業者等は、高齢者、身体障害者等に対し、これらの者が公共交通機関を利用して移動するために必要となる情報を適切に提供するよう努めなければならない。
5 公共交通事業者等は、その職員に対し、移動円滑化を図るために必要な教育訓練を行うよう努めなければならない。
(基準適合性審査等)
第五条 主務大臣は、新設旅客施設等について鉄道事業法その他の法令の規定で政令で定めるものによる許可、認可その他の処分の申請があった場合には、当該処分に係る法令に定める基準のほか、移動円滑化基準に適合するかどうかを審査しなければならない。
2 公共交通事業者等は、前項の申請又は鉄道事業法その他の法令の規定で政令で定めるものによる届出をしなければならない場合を除くほか、旅客施設の建設又は前条第一項の主務省令で定める大規模な改良を行おうとするときは、あらかじめ、主務省令で定めるところにより、その旨を主務大臣に届け出なければならない。その届け出た事項を変更しようとするときも、同様とする。
3 主務大臣は、新設旅客施設等のうち車両等(第一項の規定により審査を行うものを除く。)若しくは前項の政令で定める規定若しくは同項の規定による届出に係る旅客施設について前条第一項の規定に違反している事実があり、又は新設旅客施設等について同条第二項の規定に違反している事実があると認める場合には、公共交通事業者等に対し、当該旅客施設又は車両等を移動円滑化基準に適合させるために必要な措置をとるべき旨の命令をすることができる。ただし、鉄道事業法その他の法律の規定で政令で定めるものによる事業改善の命令がある場合にあっては、当該命令によるものとする。
第三章
重点整備地区における移動円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進
(移動円滑化基本構想)
第六条 市町村は、基本方針に基づき、単独で又は共同して、当該市町村の区域内の重点整備地区について、移動円滑化に係る事業の重点的かつ一体的な推進に関する基本的な構想(以下「基本構想」という。)を作成することができる。
2 基本構想には、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 重点整備地区における移動円滑化に関する基本的な方針
二 重点整備地区の位置及び区域
三 特定旅客施設、特定車両、特定経路を構成する一般交通用施設及び当該特定旅客施設又は一般交通用施設と一体として利用される公共用施設について移動円滑化のために実施すべき特定事業その他の事業に関する事項
四 前号に規定する事業と併せて実施する土地区画整理事業、市街地再開発事業その他の市街地開発事業に関し移動円滑化のために考慮すべき事項その他必要な事項
3 基本構想は、都市計画及び都市計画法第十八条の二の市町村の都市計画に関する基本的な方針との調和が保たれ、かつ、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第四項の基本構想に即したものてなければならない。
4 市町村は、基本構想を作成しようとするときは、これに定めようとする特定事業に関する事項について、関係する公共交通事業者等、道路管理者及び都道府県公安委員会(以下「公安委員会」という。)と協議しなければならない。