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おわりに

 

障害者の航空機利用はここ数年急速に高まっております。これまで家庭や施設に閉じこもっていた障害者たちが、社会参加の幅を広げていきたいという欲求の現れであるといえます。その要因としては障害者に介助サービス等のサービスを提供する自立生活センターが全国に設立されたこと、電動車いすが普及し外出に人の手を借りる必要がなくなったこと、一般市民が頻繁に街で障害者に出会うようになり障害者慣れしたことで障害者への対応が良くなってきたことなどが挙げられるでしょう。

空港も航空会社も交通バリアフリー法施行後には、障害者対応の設備やソフト面等で各種の改善を図られるであろうと考えられます。名古屋新国際空港の建設に関しては空港公団と障害者団体とが協力し合って委員会を立ち上げ協議を進めています。これは空港建設という大規模プロジェクトの起工に関しては日本において初めての事例と言えます。

千歳空港においても2002年のDPI世界会議を目指して大幅な改造を計画されており、障害者の空港におけるアクセスは今後皆様のご協力のもとに急速に展開するものと存じます。

この空港職員研修会用マニュアルは空港利用者である障害者の視点に立って、心地よいサービスとは何かを各障害当事者の意見を踏まえ作成されております。全ての人にとって心地よい空の旅を保障するために、障害者が困っていること、危険を感じていることなどを直に聞き体験することにより、できない理由を数え上げるのではなく、どうすればできるのだろう、なぜ今までできなかったのだろうという視点で一緒に考えていきたいと思っております。

 

DPI (障害者インターナショナル)

議長 山田昭義

 

 

 

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