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第5章 来年度の研究計画(案)

 

来年度の研究計画(案)を以下のように策定した。

 

5.1 ホーム内・外方の検知策に関する実験検討

現在の敷設方式に対しては、ブロックのどちら側がホーム縁端(もしくは内方)かがわからないという問題点の指摘がある。このため、靴底もしくは白杖で検知可能な何らかの触知表示器具を現行方式に付加することで、ホームの内・外方検知が可能になるかどうかを検証するために、いくつかの改善案を試作した上で模擬空間上に敷設して、視覚障害者を対象とした評価実験を実施し、その有効性を比較検証する。

検討案の一例を図5.1に示す。この方式は現在の警告ブロックに線状突起を1本付加したものであり、次のような議論を経て作成したものである。

 

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図5.1 内・外方の検知性についての実験で用いるブロックの敷設例

 

・ 誘導・警告の異種2列敷設方式の場合、ブロックを踏んで直ちに誘導か警告かを判別できる被験者は希であったものの、ブロック上に停止して、足や白杖で探索すればほとんどの被験者がブロックの違いを判別できることが今年度の実験結果から明らかになった。

・ 異種2列敷設方式そのものは、現行方式との誤認を生じる可能性が憂慮されることから採用を見送ったが、停止して探索すればホームの内・外方を判別できるという考え方は何らかの形で活用したい。

・ 警告ブロックに線状突起1本を付加する案は、線状突起の意味(=ホーム内方側を示す)を知らない人にも従来通りの警告情報を伝えることができ、一方、線状突起の意味を知っている人にはホームの内・外方を報知できる点で有益と考えられる。さらに、線状突起を付加したとしても、既設の方式との誤認等は考えにくい。

 

 

 

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