≪俳句甲子園 開催趣旨≫
誰でもふと口ずさむことができ、フランス人に「生きる芸術」と呼ばれた俳句。P.ピカソが「広々とした自由」と呼んだ俳句。現在全国の俳句愛好者は500万人を超え、いまや「俳句の時代」といわれるほど、この小さな詩形は、日本人の日々の暮らしに溶け込んでいます。
とりわけ愛媛県では、近世から階層を問わずあらゆる分野の人々が俳諧に親しんできました。中世には神仏に捧げる邦楽連歌が多く残されており、明治以降には俳句を近代の詩として再生した正岡子規をはじめ、高浜虚子、河東碧梧桐、中村草田男、石田波郷、芝不器男、富沢赤黄男など、さまざまな個性に彩られた俳人を輩出した伝統的風土があります。
俳句は、現代を生きる人々の心を<五・七・五>という十七音に凝縮されたわずかな言葉の空間に解き放ち、またひとつの作品が読者との間にさまざまな読み方の回路を開き、いろいろに読むことができるという自在な活力にも満ちています。各地から俳句に親しむ高校生が一同に参集し俳句を楽しみ交流することは、本来「座」に集う人々の共同の文芸であった俳句にふさわしく、そこから生まれる人間的な交流は、高校生にとって国語教育の一環としてのみならず、新鮮で貴重な社会的経験となり、豊かな人間性を育むであろうと考えます。
また、次代を担う若者たちの新鮮な発想と創造性、しなやかで軽やかな感受性は、この小さな詩の未知の魅力を我々の前に開いてくれることでしょう。
以上のように<俳句甲子園>は俳句を通じ地域間・世代間の交流と若者の文化活動の活性化に必ず寄与するものと考えます。
≪競技方法≫
○5人1チームで勝敗を競う団体トーナメント方式
○1句ごとの勝負で、計5試合のうち先に3勝したチームの勝ち。
○試合は、司会進行のもと5人総がかりで互いの句を鑑賞し、味方の句の援護をしたり、相手の句の弱点を指摘したりして味方チームを優位に導く討論形式。
≪審査方法≫
○審査員3名のうち2名以上のポイントが多いチームが勝ち。
○審査員1名につき、作句力ポイント10点・鑑賞力ポイント5点を与え、それぞれのポイントを両チームに振り分ける。審査員1名毎に良ポイントの合計点多数の方が勝ちとなる。