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余分なケーブルがあると長期にわたる船の振動でケーブルが疲労し、硬化して切断したり、切断しなくても絶縁層に亀裂が生じ、漏電の原因になったりする。

グランドの締付けは専用の工具を用いて十分締め付ける。

終了後、油性パテ又はシリコンシールを用いて防水を行う。

8] 完全防水とするための注意

船上装置の浸水の一つは呼吸作用による水の吸込み現象である。船上装置は暴露部に装備するので温度の差の影響を一番大きく受ける。つまり、雨などに当たって外面が濡れ、そこに風が吹くと気化熱が奪われて急激に冷やされるので、船上装置内の空気の体積が縮まって負圧になり、吸込みを起し、雨や海水が内部に侵入してくる。一度入った水はほとんど出て行くことはなく溜まってゆく。したがって、ケーブルの処理を確実に行い、グランドを確実に締め付ける必要がある。

 

(b) インマルサットC空中線の取付方法の例

空中線の設置計画及び工事は、以下の手順に従って行う。

(イ) 船体図面を参照して、以下の基本的事項を満した設置場所を立案する。

1] HF空中線から5m以上離す。

2] VHF及びGPS等の空中線から約3m以上離す。

3] 磁気コンパスから3m以上離す。

4] レーダー空中線の回転領域から離す。

5] 煙突からの熱、煙及び埃を避ける。

6] 激しい振動および衝撃を避ける。

(ロ) 空中線は、可能な限り、船首及び船尾方向において水平に対し-5度以内に、左舷及び右舷方向において水平に対し-15度以内に障害物がないような位置に設置しなければならない。図4・74を参照のこと。

(ハ) また空中線は、1m以内に2度を越えるシャドーセクターの原因となる障害物を避けるように設置しなければならない。図4・75は、一般的な設置場所の例を示す。

(ニ) 資料1に障害物による受信レベルの劣化の計算式を示す。

(ホ) 空中線の設置に必要なポールまたはマストは、上記のガイドライン及び保守性を考慮して準備しなければならない。空中線の設置については図4・76〜図4・79を参照のこと。

 

 

 

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