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GPS受信機、ログ、ドップラーソナー(ログ)、ジャイロコンパス、電子磁気コンパスその他の各種の航法機器やプロッタ等との接続にこれから広く使用されている。

 

4・8・2 ジャイロコンパスとの接続

(1) ジャイロコンパスとの電気―機械的接続

ジャイロコンパスの方位伝達機構により、レピータのカードを1回転あたりのレピータモータの回転比として、360x、180x、90xなどの回転比の区分がある。360xとは、レピータのカードを1回転させるためにレピータモータが360回転することを表している。伝達機構には、シンクロモータ及びステップモータが使用されている。

(2) ジャイロコンパス等とのシリアルデータ信号線での接続

ジャイロコンパスにはシリアルデータ信号線での出力を持つ機種もある。接続が容易な利点がある。最近では、電子磁気コンパスが低廉な価格であることと方位信号が電気的に出力できることから小型漁船やレジャーボートで使用されている。また、IECの国際規格でも電子磁気コンパスの使用に関わる自差(magnetic deviation)や偏差(magnetic variation)も伝達できるフォーマットが用意されている。

(3) 真方位指示装置でのシンクロモータの接続

アンテナの回転角度を指示器に伝える方式については、4・8・1項で述べているように行われている。ジャイロコンパスを装備している船舶では、レーダーの表示画面の上側が真北の方位を表示するように真方位指示装置が取り付けられている。この真方位指示装置は、アンテナの回転角度と現在の船首方位を計算して、真北が指示器の画面で0度の位置に来るように映像を表示する。計算方法には、差動シンクロモータを使う方法や最近ではIC等の演算回路で処理する形式もある。

差動シンクロモータを使用する方式を図4・4に示す。この方式では、例えばアンテナの回転角度を伝えるシンクロモータの信号を差動シンクロモータの固定子のコイルに接続する。差動シンクロモータの回転子側のコイルはレーダー側の偏向コイルに回転角度を受信する側のシンクロモータの固定子側に接続する。この差動シンクロモータの回転子側の回転軸はジャイロコンパスからのシンクロモータかステップモータによる真方位にあわせて機械的に回転させる。このように接続すると差動シンクロモータでは、真北からの偏角をずらした船首方位角度の信号分が回転子から出力される。従って、レーダーの表示画面では真北を上側とする真方位指示での表示ができる。差動シンクロモータを通さないで接続すれば船首方位が上側に表示される。

 

 

 

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