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図2・3 空中線部プラットホームの移動(上面図)

 

(e) 船首方向の障害物が、空中線部のプラットホームを右(左)舷側に移動しても、なおかつ避けられないときは、空中線部と送受信部をフォアマストヘ移動することも可能である。しかし、この場合は、ウィンドラスを動作させたときの振動や、荒天時の波浪との衝突による衝撃等が大きいので、十分に堅牢な機器を選ぶ必要がある。

フォアマストまでの距離が大きいとき(例えば200m以上)はレーダー表示部からのケーブルも当然長くなるので、ケーブルによる減衰も考慮に入れた対策が必要となってくる。各メーカーに相談すること。

(f) 船にはレーダーの視野を妨げる障害物がこの他にも種々ある。例えばデリックポスト、煙突、サブレーダーの場合のレーダーマストなどで、完全に陰になるもの、偽像の出るもの等いろいろあるが、船体設計のときに図面上から判断できるものと、長時間航海に使用してみて、はじめて偽像の出現が確認される場合とがある。いずれにしても、造船所の設計担当者とよく協議して最善の方法を取るとともに、その可能性については航海士を始め、操船する者によく説明しておく必要がある。

(g) 煙突や排気口からの煙やごみのかからない位置を選定する。排気ガス等による腐食や、油煙等で電波放射面が汚損すると、その性能が低下する。

(h) 空中線ペデスタルの取付け位置は、キールラインに対して90°方向で、がい装線の入る水防栓口は水密予防上、船首方向に向けない位置で、導波管の布設路を検討して決める。

 

 

 

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