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これは、電磁偏向型のCRTを使用する場合、電子ビームは磁力線で偏向されるので、その偏位量が時間的に正しく比例するためには、磁力線の強さもまた一定の割合で増加しなければならないからである。そのためには、偏向コイルに流れる電流の大きさが時間的に比例すること、すなわち、その電流波形が直線的なのこぎり波であることが必要である。

 

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図4・32 偏向コイルに流すのこぎり波電流と掃引の関係

 

4・6・4 アンブランキング回路

アンブランキング回路は掃引線の帰線がCRTに現れないようにするためのものである。図4・33に示すように、掃引のこぎり波の立ち下がりの部分は立ち上がりの部分に比べて非常にスピードは速いがこの間に電子はCRTの外周から再びその中心に帰ってくるので、この間はCRTを光らすことを止める必要がある。そのため、のこぎり波の立ち下がりが始まる前に、CRTの第1グリッドにゲートパルスを加えて電子の発射を止めるようにする。

 

4・6・5 マーカ回路

CRTで物標の距離を測定するためには距離マーカが必要で、この距離マーカには固定距離マーカと、可変距離マーカとがある。物標までのおよその距離を知りたいときは固定距離マーカを使用し、もっと正確な距離を測定する場合には可変距離マーカを使用する。

固定距離マーカは図4・34に示すように、映像画に一定間隔の円心円を描かせるもので、例えば、10海里レンジでマーカーが5本あれば、その間隔は2海里であり、物標の映像が2本目と3本目の間にあれば約5海里であると判断できる。

 

 

 

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