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図3・27 導波管中の電波の進行と電磁界

 

こうすると、(a)(b)の両方の進行波の合成は同図の(c)のようになり、この電界と磁界が絡みあって管の中を進んでいくことになる。

この図を三次元的に書いたのが、図3・28である。この図から分かるように、電界の成分は電波の進行方向にはなく、磁界は同図の(d)にあるように伝搬方向にその成分をもっている。そこで、この導波管用の伝搬モードを電気的横波(Transverse Electric Wave)、TE波と呼んでいる。あるいは、逆に伝搬方向に磁界成分があることからH波と呼ばれることもある。導波管の中での電波の伝わり方は、TE波だけではなく、その進行方向に電界成分のある磁気的横波(Transverse Magnetic Wave)、TM波またはE波と呼ばれる伝搬モードもある(図3・29(a))。更に図3・28の(b)に示した導波管の断面図では、方形面の長辺に半波長の電界分布が乗っており、短辺には電界分布がない。そこでこれをTE10波として区別する。これに対して、図3・29(b)のように長辺に一波長、すなわち電界の山が二つあるようなモードはTE20波、また、短辺と長辺が入れ変って、短辺に電界分布があるようなモード(図(c))をTE01波と呼び、このほかにも、いろいろなモードを作ることもできるが、基本のTE10波モード(図3・28)が普通に使用される。

 

 

 

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