これより、Et=E0+Er=E0+ρ×E0×e-jαが与えられる。
こゝで、Et=F×E0と表すとすれば、
F=Et/E0=|1+ρ×e-jα|=1+ρ2+2×ρ×cosα
であり、海面において完全反射するとすれば、ρ≒1であって
F=2+2×cosαとなる。
またφ=180°=πであるとすれば、F=2+2×cos(π+β)となり、
三角関数の公式からF=2×sin(β/2)を得る。
これに上のβの値を入れると、
F=2×sin{2×π×Hs×He/(λ×R)}となる。
これは電圧の比であるから、電力の比はこの2乗であって、
F2=4×sin2{(2×π×Hs×He/(λ×R)}を得る。
これが(6・4)式に入っているのである。
付録2 (6・6)式のAs及びAeの証明
第6・6図より、{Re+(Hs−As)}2=Re2+R12であって、
Re2+2×(Hs−As)×Re+(Hs−As)2=Re2+R12となる。
Reは地球の電波的等価半径であって、6371229.3m×4/3で与えられ、
(Hs−As)2はこれに比べて非常に小さいので無視すれば、
Re2+2×(Hs−As)×Re=Re2+R12となる。
これを整理して2×(Hs−As)×Re=R12を得る。
一方R1≒R×{Hs/(Hs+He)}、R2≒R×{He/(Hs+He)}であったから、
これを代入すれば、
2×(Hs−As)×Re=R2×{Hs/(Hs+He)}2となり、
As=Hs−(R2×Hs2)/{2×Re×(Hs+He)2}を得る。
同様にして、
Ae=He−(R2×He2)/{2×Re×(Hs+He)2}が得られるのである。