長残光性の螢光面を持ったブラウン管を利用しているので、アンテナが数回転以上する間輝点として光っている。それでスイープが移っても映像が残り、円形の平面図として表示されるのである。
可変距離目盛は設定した距離を半径とした円となり、固定距離目盛は一定の距離毎の同心円となる。物標の距離rと、反射波が帰ってくる時間tとは、(6・1)式の関係がある。
ただし、cは電波の空気中の伝搬速度で一般的に3×108m/sとして計写する。
(最近の測定によれば近似的に2.998×108m/sであるといわれている。)
自船からの距離が1海里である他船の反射波は、何秒後に帰ってくるかを計算してみれば、(6・1)式のrに1852mを、cに3×108m/sを入れて、
約12.35μsを得る。従って、2海里の距離の他船からの反射波は24.7μs後に、5海里の距離の他船からの反射波は61.75μs後に帰ってくることになる。また、2海里ごとの固定距離目盛は24.7μsごとのパルス発生器で得られ、5海里ごとの固定距離目盛は61.75μsごとのパルス発生器で得られることとなり、それぞれ約40.5KHz及び16.2KHzの周波数のパルス発生器である。
6・3 レーダーの性能
レーダーの性能は、一般的に(1)最大探知距離、(2)最小探知距離、(3)距離分解能、(4)方位分解能、(5)映像の鮮明度で表すことができる。
表6・1は、これらの性能に影響を及ぼす要素を表にして示したものである。