逆に外から電子を加えるとマイナスが多くなり原子はマイナスに帯電する。ものが帯電する原理は陽子が多いときにプラスとなり、電子が多いとマイナスの性質を持つことから説明できる。琥珀やガラスを擦ると電子が逃げたり、加わることから帯電してものを吸い付けるようになる。
銅、鉛などの質量が大きい原子は沢山の陽子と電子で構成されている。このときの電子は原子核の周りの複数の軌道に乗って回っている。軌道上の1番外側の軌道上の電子は移動しやすい性質があり、電気的及び化学的な反応を起こす電子なので、価電子、核外電子又は外核電子等と呼ばれている。
図1・24に銅原子の原子核(陽子)と電子の配置を示す。電子の軌道は原子核に近いKからL、M、N、…と名前が付けられおり、それぞれの軌道に入れる電子の数が決まっていることをパウリが発見してパウリの禁止則と呼んだ。パウリの禁止則を満たす電子の数を持つ原子は電気的に安定して絶縁状態となる。銅の電子は29個あるので外側の電子は1個存在する。銅原子は安定状態になるためこの電子を容易に放出するので電子が流れ出て電流となる。導体は電子の移動が容易な材料といえる。
電子はマイナス極性なので電子の流れと逆向きが電流の流れる向きと定義される。