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(6) 製造検査(法第6条)

製造検査は、法第5条の検査の適用がある船舶のうち、船の長さが30メートル以上の船舶(注)の製造者に対し、強制されている検査であり、船体、機関及び排水設備の設計、材料及び工事並びに満載喫水線を標示する船舶については、満載喫水線を定めるのに必要な事項に関し、船舶の製造に着手した当初から完成時までの間において、その工程に従って、精密に検査をするものである。製造検査においては材料試験、圧力試験及び機関の陸上試運転が行われる。

注:次に掲げる船舶を除く。(施行規則第21条)

(イ) 平水区域のみを航行する船舶であって旅客船、危険物ばら積船及び特殊船以外のもの。

(ロ) 推進機関及び帆装を有しない船舶(危険物ばら積船、特殊船推進機関を有する他の船舶に引かれ、又は押されて人の運送の用に供するもの及び係留船を除く。)。

(ハ) 外国の国籍を取得する目的で製造に着手した後、日本の国籍を取得する目的で製造することとなった船舶。

製造検査は、検査の完全を期するために上記の項目については製造工程において検査を行うことが肝要であるだけでなく、受検者側から見ても竣工後船舶の出航を目前に控えて一時に精密な検査を受けるよりは、製造に着手した時点から随時検査を受けておく方が便利であることから強制することになった検査である。

また、製造検査を強制されない長さ30メートル未満の船舶であっても、製造者の申請により製造検査を受けることができる。

(7) 予備検査

船舶の一般施設として物件を備え付ける場合に、これを備え付ける船舶が特定しない場合でも、事前に検査を受けることができる(法第6条第3項)。この検査を予備検査という。この予備検査制度は、次の点を考慮して設けられたものである。

(a) 船舶に備え付ける物件は、各専門工場において、分業的に製造されているのが普通であり、造船所において、そのすべてを製造している例は皆無である。

 

 

 

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