(2) 光束発散度
目が物を認めるのは、照度によって物体から反射発散される光束であって、反射率に問題がある。
(3) かげ
立体感をだすためのかげは必要であるが、一般に船内照明ではかげを考えなくてもよい。また経済性を考えれば光源の数を多くすることにも限度があり、半影を多くなるようにする。
(4) 演色性
物を見るときの国際的標準光は、100W白熱電球に近いA光(色温度2,854°Kの白熱電球)太陽直射光の代表としてB光(A光源にBフィルターをかけたもので色温度約4,870°K、正午の太陽光の平均)、昼光の代表としてC光(A光源にCフイルターをかけたもので色温度約6,740°K、昼光、すなわち直射日光と青空光との和の平均)の3つがある。
蛍光ランプは、白熱電球に比べて長波長光の不足がはなはだしいので演色性が著しくずれる。そのため深赤色を出すけい光物質が加えられて改善されている。
光源の演色性のよい順にならべると、キセノンランプ、デラックス形蛍光ランプ、白熱電球となる。
演色性とは、或る光源から物体に光を当てた時、その物体の色があるがままの色で目に見える程度のことである。
従って、例えば、赤い物体と青い物体に同一光源から光を当てた時、赤い物体は赤く、青い物体は青くそのままの色で目に見えるならばその光源の演色性は良いと言えるが、例えば赤い物体が青味がかって見えたり、反対に青い物体が赤味がかって見えたりすると、その光源の演色性は良いとは言えない。
色温度とは、黒色物体を加熱し、次第に温度を上げていくと黒色物体から光が発せられ、その光の色は温度の上昇とともに次第に赤色となり、更に黄色を経由して青色へと変って行くのであるが、黒色物体から或る色の光(例えば赤色の光)が発せられている時の黒色物体の温度をその光の色における色温度という。
一方、温度の上昇にともなって、黒色物体から発せられる光の波長は短くなって行く。
(5) 経済性
船用照明としては、旅客船を除き、一般に電力費は低い。
また、器具費は蛍光灯と白熱灯では価額差が少ない。
(6) 光源の選び方
光源を選ぶ際の目安は、表2.22によればよい。
(7) 減光補償率
船内における一般的な減光補償率は表17によればよい。
減光補償率とは点灯中の減光を予想し設計当初から見込んでおく係数である。