(b) 始動器及び制御器の保護形式については2.2.2による。
(c) 始動器及び制御器は火花(アーク)により付近に損傷のおそれのある場合は、これを防止する処置をする。
(d) 始動器には電動機の過負荷保護装置を備える。ただし、操舵装置用のものを除く。
(e) 0.4kW以上の電動機には、停電により電動機が停止したのち、その状態で再始動しないような手段を講じておくこと。ただし自動運転を行うもので、運転の安全性が十分確保されているもの、及び、操だ装置用のものを除く。
〔説明〕交流始動器について
(i) 始動方式は、全電圧じか入始動と、減電圧始動とがある。発電機の出力から一概には定められないが、大体、発電機容量の約1/8以上の電動機を減電圧方式としている。減電圧方式には、始動補償器方式とY-Δ(スターデルタ)方式がある。
(ii) 不足電圧保護装置については、不足電圧解放UVR(LVR)と、不足電圧保護UVP(LVP)とある。
U.V.P…停電などにより、電源が不足電圧、無電圧になり、運転中の電動機が停止したのち、電源が復旧しても、電動機は自動的に運転しないので、改めて手動により始動してやるもの。
U.V.R…前記と同様に電動機が停止したのち、電源が回復すると自動的に運転するもの。

(iii) 始動器は、0.4 kW以下のものはナイフスイッチ(ヒューズ付)、それを超えるものは、電磁接触器を使用するのが普通である。
(iv) 始動器用電流計を要するものの例を次に示す。
(イ) 直接電気駆動の甲板補機
(ロ) 操舵機
(ハ) 油清浄機
(ニ) ターニングモータ
(ホ) 発電機容量に対して比較的容量の大きい機器
〔説明〕 不足電圧保護装置について
交流始動器の不足電圧保護装置には、前述のとおりUVPとUVRがあるが、始動器の主回路の開閉機構は、0.4kW以下はモータブレーカ又は、ナイフスイッチ、それを超えるもの、すなわち0.75kW以上は、電磁接触器を使用するのが普通であるので、ナイフスイッチ形のものは、構造上UVRとなってしまうから、0.4kW以下でUVPを必要とする場合は、電磁接触器形とする必要がある。