その計器の良否の判定の目安として機械的良度がある。
Td:駆動トルク、W:可動部の重量(g)
n:定数(垂直軸の場合は1.5、水平軸の場合1.0)
γの値は0.5〜1.6程度が普通である。
3・3・2 制御装置
制御装置とは、指針が駆動トルクによづて、角度θだけ動き静止するためには、これと釣合った力が必要であって、この力と釣合いを保って初めて静止するようになる。これには
(1)うず巻きばねを利用する方法 (2)重力を利用する方法 (3)うず電流による方法等がある。計器の種類によって最適のものが選ばれている。
3・3・3 制動装置
3・3・2で述べたように、指針の動きを制御し静止せしめるためには、制御装置だけでは不十分であって、実際にはその指針は行き過ぎ、もどり過ぎを繰り返し、その正規の位置を中心として振動が起こる。これを早く止める装置が制動装置である。これには、(1)うず電流制動法 (2)空気制動法 (3)液体制動法などがある。計器の種類によってその何れかが選ばれている。
3・3・4 その他部品
以上三要素のほかに、計器の寿命に影響する軸受がある。これにも、宝石軸受、ばね軸受、磁気懸垂式等がある。指針にも、刃形指針、繊条指針、槍形指針、枠組指針等がある。また、目盛板にも平等目盛、不平等目盛、対数目盛、両偏れ目盛、多重目盛等がある。次に磁界を作るために永久磁石が使用されるため良質の磁気材料が選ばれる。即ち、(1)残留磁気及び保磁力が大きいこと。(2)着磁力、熱振動、磁気的刺激などで強さが減少しないこと。(3)温度係数が小さいこと。(4)寸法が小さくできること。(5)価格が安いこと等が必要条件である。
3・4 永久磁石可動コイル形計器