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ついでながら可飽和リアクトルの動作原理を次に説明する。

図2.106中の一相分の巻線の部分を取り出して図示すると図2.107の通りで、鉄心の中央部に直流の制御巻線があり、鉄心の両端部に夫々の交流巻線がある構造となっている。この制御巻線に外部から直流励磁を加えると、鉄心の磁気飽和を起し易くなるので交流巻線のインピーダンスは直流励磁の増加にしたがって急速に低下する傾向を示す。処で、制御巻線の鉄心部に別のバイアス巻線による適当な励磁を与えると、図2.108に示すような特性が得られる。したがって、図2.106中の増幅部の特性を、直流出力電圧が設定値より上昇すると、増幅部出力電流が低下するようなものにすれば、変圧器巻線への挿入インピーダンスを自動調整して整流器出力電圧を一定に保つことができる。

以上のように本方式は自動電圧調整と過電流抑制機能をもっているので、自動式浮動充電用として適している。

 

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図2.107 可飽和リアクトルの基本構造

 

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図2.108 可飽和リアクトルの制御特性

 

(2) サイリスタによる方式

概略結線は図2.109に示すように、整流部には混合ブリッジ結線が用いられる。本方式ではサイリスタのゲートを位相制御することによって任意の設定電圧が得られると共に、負荷電流を検出して過電流に対し電圧垂下特性をも与え、2・7・4(c) 項の可飽和リアクトル方式と全く同様な電圧、電流の制御を行うことができる。

 

 

 

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