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普通のものは放熱板を付けて、自然冷却によって使用される。自然冷却時、電流密度は50〜100mA/cm2であり、1枚当りの逆耐電圧が低い(20〜30V)ので、必要に応じて積重ねて使用する。

 

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図2.68 セレン整流素子の断面

 

(2) シリコンダイオード

整流用の単結晶(単一のかたまりで、その原子が規則正しく配列したもの。)の半導体にはゲルマニウムダイオードとシリコンダイオードがあるが、前者は許容温度と逆耐電圧の両特性が劣るために、現状では殆んと使用されなくなり、一般には後者のシリコンダイオードが広く使用されている。

シリコンダイオードはシリコンの単結晶に添加する不純物の種類と量を調節してP形半導体(正孔と称する電子の抜けた穴をもっている。)とN形半導体(過剰電子をもっている。)の両方の部分を作り、PN接合部を形成したものをケースに密封し、電極を設けて作られる。P側の電極に正電圧を、N側の電極に負電圧をかけた時、電流は流れるが、これと逆の電圧をかけると、電流は流れなくなる特性をもつ。シリコンダイオードは逆方向電流が少く、高温(150〜200℃)に耐え、また、逆電圧の高いものが得られるので、理想的な整流子として認められている。

(3) ツェナダイオード(定電圧ダイオード)

半導体ダイオードのPN接合に逆電圧を加え、その電圧を増加させていくと、ある一定の電圧から図2.69に示すように急に逆電流が増加しはじめ、いわゆる降伏現象を呈する。このPN接合部の作り方によって降伏現象の起こった処で電流の広い範囲にわたって電圧はほぼ一定の値に保たれる。このような特性のダイオードをツェナダイオードと称し、一般にシリコンを材料としたものが用いられている。降伏電圧はシリコン中のPN接合付近の不純物の分布によって決り、5〜40Vの範囲のものがよく作られている。ツェナダイオードは降伏電圧現象を利用して、供給電圧の安定化や基準電圧を作るのに用いることができる。

 

 

 

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