日本財団 図書館


遮断器が短絡電流を遮断したとき、遮断器の電極にはまだ電圧がかかっているから遮断器を点検、手入れする場合には断路器を開放して遮断器を無電圧にしてから行わなければならない。

(k) 気中遮断器(Air circuit breaker)

一般に船舶用として使用されているACBはJISC8372(低圧遮断器)、JEC160(気中遮断器)、あるいはNK規則に基づいて製作されているもので主に発電機回路及び大容量電動機回路に使用され、そのほか選択遮断を要求される給電回路に使用される。

(i) 短絡故障を高速度で遮断できる。

(ii) 優先遮断電流引外し装置を付することができる。

(iii) 配線用遮断器の引外し特性と協調をとることができる。

(iv) 遮断時のイオン化ガスの排出が少ない。

(v) キュービクル内蔵に適している。

(vi) 引出形構造とすることが出来る。

構造として接触子は主接触子とアーク接触子とからなり、主接触子は銀、アーク接触子は銀タングステン合金を用いたものが多い。一般に、消弧室はモールド製ケースに特殊耐熱磁器の側板と鋼板製グリッドを収めている。

操作機構は、引外し自由機構を有し、故障回路投入のための投入力を考慮して、すべて強靱な構造となっている。また、通常手動操作のみか、電磁操作併有の形式が多い。

(1) 配線用遮断器(Molded case circuit breaker)

一般にMCBと呼ばれ、JISC8370(配線用遮断器)、NK規則に規定されていて使い易く、経済的なことからよく使用される。また、次のような特長がある。

(i) モールドケースによる完全密閉形で、操作が安全で、取付け面積が小さい。

(ii) 遮断容量が大きく、遮断時間が短い。

(iii) 熱動式又は電磁式により反限時引外し特性を、電磁式により瞬時引き外し特性をもたせることができる。

(iv) 引き外し自由機構を有する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION