(b) 油圧多板クラッチ方式
この方式は主機軸に結合した増速器と交流発電機との間に前記(a)項の渦電流接手の代りに油圧多板クラッチを介在させて連結し交流発電機を常に一定の回転速力に保持させるものである。
動作的にも電磁力によるか油圧力によるかの相違であり大同小異といえる。速度制御もこの油圧を制御することにより一定回転速度が得られるようにしている。
(c) インバータ方式
この方式の交流発電機については前記(2)項の周波数変動形の場合と同様に主機軸の回転速度変動にしたがって交流発電機の周波数も変動するが、この交流発電機出力をいったん直流に変換しさらにインバータを通して或る一定の新らしい周波数の三相交流を発電させて船内電源として給電するものである。
直流及び交流への変換装置にはコンバータ及びインバータ共に通常は静止形であり、サイリスタ又はパワートランジスタ等を使用している。ただし、コンバータは整流のみにしたものもある。
さらにインバータ出力側の電圧波形歪を改善する必要から交流リアクトルを使用しかつ短絡時のサイリスタ電流の抑制も兼ねるようにしている。
この方式は前記(a)及び(b)項に比較して変換効率は良好であるが、周波数変換、制御装置が複雑になり、設備費も高価になる傾向がある。また、機能上電波障害の問題も生じてくる。