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(6) 輻射ノイズ障害の防止

輻射ノイズ障害は、ノイズが電磁波として空中伝搬して電子機器などに障害を与えるもので、無線機器からの発射電波、高調波成分を含んだ大電流回路(サイリスタ利用回路など)などからの漏えい電磁波、直流機のブラシや静電気のスパークなどによる電磁波が空中伝搬してくるものである。

FRP船は船体そのものに遮蔽効果がないため、電子機器自体あるいはの設置場所全体を遮蔽し、接地する必要がある。特に無線機器の場合には、機器の接地線も空中線の一部として作用して、電波の伝導や輻射をするので注意を要する。

(7) 無線機器における接地

FRP船の無線機器は、長い接地線によって船底部の外板に設けられた接地銅板に導びかれ海水に接地している。このため、接地線は、空中線として働き、電波の発射や受信に障害を生ずる。したがって、この接地線には銅帯を用いるなどインピーダンスをできるだけ小さくする必要がある。

 

10.3.2 接地に関する諸規則

上述したように船舶、特にFRP船における電気、電子機器の接地は重要である。このため、各国の国家規則や船級協会規則では、接地に関する諸要求を定めている。次に各規則類における共通の項目について述べる。

(1) 電気機器の接地

人が触れるおそれのある非導電金属部の接地が要求されている。固定機器の場合には接地線により、移動機器の場合にはキャブタイヤコードによって接地する。規則によっては接地線のサイズを規定しているものもある。

(2) ケーブルの接地

ケーブルの金属被覆を接地することが要求されている。また、金属被覆の電気的な連続性を要求している規則もある。

(3) 一般金属部の接地

特にFRP船に関連した規則では、静電気や電磁誘導等によって帯電するおそれのある金属製の構造物などの接地を要求している。

また、金属製の燃料油タンクや燃料管及びFRP製の燃料タンクの金属付着品などの接続と接地を要求している。

 

 

 

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