(2) 電線の種類及び記号の使用方法の例を次に示す。
(a) JIS C 3410:1999 船用電線は、難燃性の規定が「耐炎性」と「耐延焼性」の2種類に規格化された。
(b) JIS C 3410:1999 船用電線の公称電圧表示は、「IEC規格に合わせ、0.6/1.0kV」である。
なお、0.6kV:対地電圧(交流)、1kV:線間電圧(交流)を意味する。
但し、多心線及び電話用電線の公称電圧表示は、従来と同じく「250V」である。
(c) 一般動力・電灯回路用電線の呼び方の例。
○0.6/1.0kV TPYC-4:0.6/1.0kV 耐炎性3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(4mm2)
○0.6/1.0kV TPYCY-4:0.6/1.0kV 耐炎性3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ビニル防食ケーブル(4mm2)(防食ケーブルの場合には、ケーブル記号の最後に、防食層「Y」の記号を付ける。
○0.6/1.0kV FA-TPYC-4:0.6/1.0kV 耐延焼性3心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(4mm2)(耐延焼性ケーブルの場合には、ケーブル記号の前に、「FA-」をつける。
(d) 多心線及び電話用ケーブルの呼び方の例。(絶縁記号を省略する。)
○250V MPYC-12:250V耐炎性多心EPゴム絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(12心)
○250V TTYC-3:250V耐炎性電話用ビニル絶縁ビニルシースあじろがい装ケーブル(3対)
(e) 配電盤用電線の呼び方の例。(絶縁記号及び外被記号を省略する。)
○0.6/1.0kV SCP-6:0.6/1.0kV 配電盤用可とう難燃架橋ポリエチレン絶縁電線(8mm2)
2.2.2 船用電線の構造
船用電線は、布設時に機械的損傷やガス、溶接などによる焼損を受けやすいので、特殊用途の電線(移動用コード、配電盤用電線など)を除いて、鋼線又は銅合金線によるあじろがい装が施されている。
一般によく使用されているケーブルの構造例を図2.1に示す。