(ロ) 機器はその直上又は付近に管の接手とか、弁等のない位置に設置する。
(ハ) 機器は蒸気管又は加熱面の防熱面より200mm以上離す。
位置出しは、勿論その物の実際の大きさで表し、邪魔物があるか、ないかを調べる。なお、関係者の立会いの上で定める方がよい。
6・2・4 電路金物取付け工事
ケーブル導板、ハンガ等の取付けを行い、また、金属管工事等の工事を行う。甲板及び隔壁を貫通する場所が防水か非防水かを確めそれに応じた工事をする。なお、船体のビーム、フレームなど強度上重要な部分に穴あけする場合は船体部と協議のうえ決定する。
6・2・5 ケーブル布設工事
(1) ケーブルは、できるだけ正確に寸法を取り、切取った先端はテープ巻きをし湿気が入らないようにする。
(2) 切取ったケーブルには系統行先線番号を書いた札をつける。
(3) ケーブル布設は傷をつけないよう行うこと。
(4) バンド間隔は規定による。
(5) マスト及び支柱に布設の場合には船尾側に、昇降時の妨げにならない範囲内で、極力梯子の近くとし、振動や自重により下らないようにする。金属管工事の場合も中の電線が自重で下らないようにする。
(6) 非防水隔壁及び甲板を貫通する場合はブッシングを設ける。
6・2・6 機器の取付け
機器の配置図及び装備図によって装備するが照明器具その他小型機器の取付け位置については日本船舶電装協会の“船舶電気装備技術講座(電気艤装工事編)”を参照のこと。鉛蓄電池用の棚には鉛張り、その他は耐酸塗料を塗らねばならない。なお、鋼材のものとアルミニウム材のものと接触部分には電食防止剤を塗らねばならない。
6・2・7 ケーブル導入、線端処理、接続
(1) 機器内に電線を導入する場合、機器の内外で交差しないこと。端子の配列は正面に向って、次のようになっている。直流は右又は上の端子は正極(+)、その逆は負極(-)。交流は左より右に又は上より下にUVW相となっていることに注意する。
(2) 線端処理は定めてあるとおり行う。
(3) 予備の心線は最遠距離の端子に接続しうる長さに切断し、一括して固定する。
(4) 心線をむき出すときは段むきにし、被覆を直角に切り落してはいけない。心線が多い場合には端子と相符号の札をつけておく。
(5) 機器とケーブルの接続は原則として端子を使用する。
(6) 配電盤端子に接続する場合は定めのとおりにする。