3・3 出力(kW)とPS
ワット(watt)又は馬力(ps)は単位時間にする仕事、即ち、仕事率の単位である。以前はPS(馬力)単位で出力を称していたが、メートル法実施によって、kWで表すこともある。
これらの関係は次のとおりである。
1PS=75〔kg・m/s〕=735.5〔W〕≒0.736〔kW〕
故に1kW=1.359PS
注:PSはドイツ語Pferdestarkeの略 1PS=736〔W〕
〔例題〕主機関の出力4000PSをkWに換算せよ。
〔解〕4000×0.736=2944〔kW〕
3・4 主機関
3・4・1 主機関の種類と熱効率
主機関とは推進軸を介してプロペラを回転して、船を前方に推進するか、又は後方に推進する役目をする機関であるので、船の心臓部である。その出力の大きさ及び種類等は、船種、船型、速力などによって定められる。(3・2参照)
また、熱効率の良い機関が燃料消費量の節約ができ、また、船の運航上経済性が良いとされる。この見地からいえばディーゼル機関が最良であるが、その他種々の理由から蒸気タービンも採用されている。また、ガスタービンも特殊な要求から使用されることもある。
小型船舶では出力が数kWから100kW前後のものまで取扱い及び装備上の関係から、小型ディーゼル機関、ガソリン機関等が採用されている。
主機関の種類及びそれらの熱効率については、次のように分類される。