2・9・7 救命設備
船舶が遭難し、船体が危険に瀕した場合は乗組員や旅客の救難は救命艇、端艇、救命いかだ、その他救命具によらざるを得ない。また、それ以前に船内の人々に対し、警報を発するとともに、無線装置によって船外にいち早くこれを通報するための装置を設置することはもとより、更に救命艇に乗り移る場合の照明、自己点火灯、水密電気灯等の信号灯、救命艇の探照灯、無線装置等が装備されるよう船舶救命設備規則に規定されている。
2・9・8 漁船の特殊設備
漁船の種類によって設備内容もさまざまである。漁船の業務目的によって、鯨油製造設備、かん詰設備、冷凍設備等が設けられる。また、漁ろう機械として次のようなものがある。
(1) トロールウィンチ 電動機によりトロール引網の巻き込みに使用される。
(2) 捕鯨ウィンチ 鯨にうち込まれた一番もり、二番もりの綱を巻き込むので、汽動式と電動式がある。
(3) 延縄巻上機(ラインホーラ) 電動機によって延縄を巻き上げるためのもので、通常は上甲板前部右舷側に設ける。
(4) 網上げ機 旋網漁船において、大形の網を船尾でくり上げるのに用いる、動力は通常主機関から軸伝導とする。
以上のほか、さんま棒受網用ウィンチ、サンドローラ、自動いか釣機等がある。次にさんま棒受網、いか釣及びさば釣漁船には集魚灯が漁法に利用されている。また、魚種により魚群の棲息に適した水温があるため、それを知ることによって、はじめて魚種に応じた捕獲が可能であるから、電気水温計が使用される。
次に漁船の船種別電気機器の主なものの一例を示す。