(3) 外車推進と噴射推進
外車推進とは船の両側に水車型の水かき翼を付けて、これを回転する方式で浅い吃水の平水航路に使用される。噴射推進とはジェットプロペラとも称し、船首又は船底から水を吸い込み、船尾から噴射して、推進する方式である。推進器のような邪魔ものがなく、水深の浅い箇所でも使用される。
2・6 船のかじ(rudder)
船の進行方向を任意の方向に変えるためには、かじが必要である。操舵の誤りや、かじ取装置の故障による、船の遭難事故も多いのでかじの故障を未然に防ぐことが肝要である。
昔は専ら人力によって、かじを動かしていたが、現在では小舟のほかは、主機関の出力の増大にともない、機械力によって動かしている。
2・7 サイドスラスタ(side thruster)
船首又は船尾もしくは船首尾に装備することによって、船の横すべりが容易にできるため、操船性能が良くなる。船首に装備するものをバウスラスタ(bow thruster)、船尾に装備するものをスターンスラスタ(stern thruster)という。装置の一例を図2・11に示す。これは電動機駆動の可変ピッチプロペラを使用し、これを、船体の幅方向に貫通したトンネル内に装備したものである。操作は操縦スタンドから遠隔操縦することができる。
2・8 復習問題(2)
(1) 船の基本寸法L、B、D、について説明せよ。
(2) 船の喫水について説明せよ。
(3) 船の乾舷(フリーボード)とはいかなるものか説明せよ。
(4) 船の縦の強度をきめるために、如何なる点を考慮せねばならないか。
(5) 船の横の強度をきめるために、如何なる点を考慮せねばならないか。
(6) 防火構造上の仕切りと区域の名称をあげよ。
(7) 船の推進器の種類をあげ、そのうちスクリュープロペラについて説明せよ。
(8) サイドスラスタについて述べよ。