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Hello Firefighter

 

女優 酒井美紀さん

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“若いうちに何でもやってみたいんです”

 

「普通ではできない経験。とても大変な仕事でした」。素朴であどけない少女から、大人に脱皮し、多彩な役どころを演じている酒井美紀さんが、普通ではできない経験というのは女性消防士。昨年暮れに放送した「ブッチギり女消防士!火消し屋小町」(フジテレビ系)で酒井さんは、女性消防士の訓練生を演じた。

「火消し屋小町」は、逢坂みえこ原作の人気漫画のドラマ化。会社が倒産し、消防士という現実を理解しないまま、ただ公務員というだけで応募し、何かの間違いで合格したお気楽ギャルが主人公。ともさかりえさん演じる夏子の同僚役が酒井さん。禁酒、禁煙、禁男の全寮制の消防学校に入り、女性初の消防士として成長していく姿をコメディタッチで描いた。

ロケは厚木市の神奈川県消防学校で行われた。エキストラは現役の消防学生。

実際に火事のシーンも撮った。これはまさに初体験。「訓練生の制服であるつなぎを着ると、何故かやるぞという気になります。私は消防士だと気合いが入りました」

静岡県生まれ。地元テレビ局のマスコットガールを務めたあと平成五年、歌手デビュー。二年後、映画「Love Letter」に出演した。高校三年生の時、受験や友情、恋に揺れる高校三年牛を綴る青春群像ストーリー「白線流し」(フジ)で主役を演じた。みずみずしい演技が注目された。

「私が育った静岡は、近くの川にアユやヤマメが泳いでいました。山寄りの場所でした。静岡は自然もたっぷり。時間がゆったりと流れています」。そんな静岡をこよなく愛していた酒井さんが、女優として多くの実績を残し、目まぐるしい東京の中で暮らすようになった。「石光真清の生涯」(NHK)では身を売る薄幸の女、「すずらん」(NHK)では自分を捨てた母を憎む女。難役を経験してきた。

「若いうちに何でもやってみたい」と話していた酒井さんは、使命感に燃えた女性消防士を初体験したことで、またまた演技のはばを広げ、二一世紀へ大きくジャンプ。 (インタビュー:編集部)

 

 

 

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