7. 技術検討事項 (Technical Discussion)[NK]
技術検討事項として、船の配置、区画、区域の考え方を説明する。即ち、船の構造に応じた物理的区分けから、貨物区域や防火区域等、区画の用途や要件に応じた論理的区分けについて解説するとともに、建造時における船体ブロック搭載を考慮した区分けについても説明する。また、商船のみを対象とするのではなく、艦艇における任務や防護システムの立場から船体配置を検討した場合についても報告する。
7.1 配置(内部区分)(Arrangement(Internal Subdivision))
船舶設計ライフサイクルの初期段階に於いて船体形状は多数の追加面を取り入れることによって内部分割される。これらの面は隔壁及び甲板などの型形状の要素に関連するものである。設計作業が進行するにつれて板パネル及び防とう材などの構造物がこれらの面上に定義される。船舶の領域はタンクのように船内にあるものでも、暴霧甲板の場合は、ヘリコプター着陸プラットフォームのように囲われたものでもスペースと指定される。このAPは二種類のスペースを区画及び区域として定義している。区画は物理的な境界スペースであり、区域は論理的境界によって取り囲まれた領域である。
船舶を空間的に仕切ることによって区画に分割するタイプが最も一般的と考えられる。区画は建物に於ける部屋の概念に非常に似ており、構造甲板や隔壁に代表される面及びジョイナ隔壁を形成する非構造(非耐荷)面によって境界を定められる。区画は船舶の運航に関連する機能によって分類される。このAPは貨物/積付け(液体貨物、乾貨物)、空所、居住及び機械/装置タイプのスペースをサポートする。様々な区画属性の集合体が指定された区画用途に基づいて定義される。区画は船舶のライフサイクルに亙ってエンジニアリング・パーツの構成管理に於ける非常に重要な機能を果たすと考えられる。
船舶を区画に分割する同一面が船舶を区域に分割する為に使用される場合もある。区域の境界を定義する為に船形の幾何要素及び幾何面、或はどちらか一方を追加しなければならない場合もある。艦艇の場合は、圧力(集合的保護システム)、準安全、損傷制御及び配置区域などの多重区域の区画が定義され、各々が船体を独立したスペースのセットに分割する。二つの区域が同一の境界を共有することもあるが、各区域は独立的に表現される。
船舶の多様なスペースを識別するだけではなく、スペース間の連結性を表現することが重要と考えられる。このAPがサポートするスペース間の関連性は、特に隣接的、機能的、位置的及び包囲的、関係である。隣接的関係は前述の連結/結合モデルに基づいた連結性ネットワークによって制定される。隣接するスペース間の入退室のしやすさ、出入り時間及び共有面の面積などの特性は船舶の領域間の通過時間を決定する解析やHVAC負荷の計算をサポートできるように与えられる。機能的関係は横揺れ防止装置として使用される一組みの左舷及び右舷のバラスト・タンクのようにあるスペースの設計パラメータが、別のスペースの機能的特質に依存している事実を記録する為に使用される。