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小型艇建造部門の急成長

・小型艇建造部門の将来はきわめて明るい。わが国における小型艇建造は、バンカと呼ばれる小艇に集中している。零細な釣舟業者はこの種の艇の取得に非常に熱心である。この部門は低所得者の日常的なニーズの充足に役立っている。

・小型艇建造部門の急成長に呼応して、建造事業者の技能を高め、事業協同組合が官民の金融機関からの資金支援を得る際に役立つように、政府がセミナーや研修プログラムを実施する。

 

外国の技術援助改革の利用と外国投資家にとって魅力ある投資機会

・2000年に向けたフィリピンのビジョン実現を進めて行く過程で、造船業の発展に弾みをつけるには、新たな取組みが必要とされる。造船所の発展が加速すれば、海外の優秀造船所との合弁事業や技術提携に投資を呼ぶことが可能になり、また提携の相手先からは造船技術を導入できることになる。一部の外国造船所は、そのような事業への投資に関心を示している。

 

船舶研究開発センターの設立

・業界では、先進技術の取得と労働生産性向上の必要性が痛感されている。船舶の設計・建造・改造・修繕工事面の欠陥、そして有能な熟練船員・造船労働者の不足などの問題は、適切な技術の振興と訓練の継売によってのみ、適切な解決が図れる。船舶の経済的耐用年数全期間にわたって耐航性を確保するためには、中古船であれ、新造船であれ、必要な調査、実験室テスト、海上試運転が絶対に必要である。一方、造船技術研究者、船舶検査官、その他の種類の造船技術者、技能者については、それぞれの職分で要求される任務が適切に遂行できるよう訓練が必要とされる。

政府の研究開発計画の一環として、大型船、小型艇とも標準設計の開発が進められている。中でも優先順位が高い分野は、現在旅客フェリーや釣舟として使用されている機動木製バンカの代替として、FRP、アルミ等、新素材による小型艇の標準設計である。

 

SBSR優遇措置の利用

(優遇措置の利用は、国内造船所の採算性を高めるのに役立つ。SBSR部門に対する優遇措置を定めた上下両院の法案には、SBSR用機械、設備、資材、部品についての輸入税免除、付加価値税免除、一定期間の課税猶予等が盛り込まれている。

 

 

 

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