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いま、任意のところにXX断面を考えて、その断面積をamm2、荷重Pkgとすると、単位面積に働く引張応力Stkg/mm2

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(1)

で表わされる。

 

(2) 圧縮

圧縮は、引張の反対で、棒の両端を押すので、長さが短く、太さが太くなる。このような荷重を圧縮荷重あるいは圧縮力といい、棒の内部に生じる応力を圧縮応力という。

圧縮応力Scは

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(2)

で表わされる。

 

(3) せん断

第2.2図は、2枚の鋼板をリベットでとじたものである。この板の両端を図のように引っぱると、リベットはYY面で、はさみで切るように上下の部分が別々に左右に滑りだそうとする。

 

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第2.2図

 

このような荷重をせん断力といい、このときにリベットの内部YY断面に生じる応力を、せん断応力という。

いま、リベットの断面積をamm2、せん断力をPkgとすると、せん断応力Sskg/mm2

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(3)

で表わされる。

 

(4) 曲げ

上に述べた引張・圧縮・せん断力では、荷重と応力とは比例しているから、たとえば荷重を倍にすれば応力も倍となる。ところが、曲げの場合は少し様子が違う。

たとえば、第2.3図の棒の一端に荷重Pをかけたとき、その曲り方は荷重Pによって決まるのではなくて、Pに支点からの距離をかけた曲げモーメントP×lによって決まるのである。

 

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第2.3図

 

船体各部の寸法も同じように船体にかかる荷重だけでなく、曲げモーメントによって決める場合が多い。

簡単のために、第2.4図のように、両端を支えられた長方形断面の棒が中央に垂直荷重を受けて、図の下のように曲ったとする(このように機械や構造物の長さの方向に直角に力を受ける部材を一般に、はりまたはビームという)。

 

 

 

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