棒径は適切か。突き合わせの初層等に、能率のことを考えて、大径棒を使用すると、融け込み不良を起したり、割れを生じたりする。
溶接棒の乾燥状況は良好か。溶接棒フラックスの水分含有率は、溶接に対しては、ブローホール等の欠陥となって、直ちに影響する。十分に注意したい。
○溶接の順序
溶接線が複雑にからみ合っているところでは、溶接の順序を決めておく必要がある。(溶接の順序については、次の5.3.2にて述べる)
(2) 溶接条件
第5〜4表に、それぞれの溶接における溶接条件の例を示す。溶接条件の中でも、一番注意しなければならないのは電流値である。溶接の品質管理の第一歩は、電流の管理であるといわれている。しかし、一般に電流値は高めのものを使用する場合が多いが高すぎる電流値はスパッタも多く、アンダーカット等悪い結果を生ずる、次に電流値によって溶接の品質がどのように変化するかという例を示す。
本実験の適正電流値は190A〜220Aである。一人の作業者がイルミナイト系5mmφの溶接棒を使用して、溶接電流以外は同条件に保ち、下向き突合わせ溶接を行い、試験片をX線で検査したところ
220A ― 1級
240A ― 1級と2級
260A ― 3級と4級
という結果を得た。従って常に注意を怠らたいようにして、定期的に、トングテスター等で電流値をチェックすることが有効であろう。