(7) 歪取り
品質管理の項でも述べたごとく、歪の許容量については、はっきり決められないのが一般である。J.S.Q.Sに第7.3表のように一応の標準を示している。これは比較的フレームスペースの広い大型船も対象にされている。これは参考程度にして、現場で目立つ歪は、除去するのが一般である。
7.4.5 材料欠陥の手直し
(1) ラミネーション(2枚板)
ラミネーションは板の切断時に発見されることがある。その範囲を知るにはガスで溶かしてみる方法がある。
○局部的ラミネーション
範囲が狭い場合には、これをハツリ取って肉盛り溶接で補修する。(第7.5図)
○範囲が狭く、板の表面に近い場合には、その部分を除去して、肉盛り整形する。(第7.6図)
○一部新替を要するラミネーション
範囲がかなり広い場合は、その範囲よりも大きく、板を一部新替する。
範囲が広く、さらに軽微でない場合は、板そのものを継手より一枚取り替える。
(2) あばたへげ
あばた。あばた状にスケールをかみこんだり、それがはく離している状態のものをいう。
へげ(はげ)。表面が部分的にはげかかって、ラップ状態になっているものをいう。
いずれも軽いものはグラインダー、深いものは肉盛り、グラインダーで補修する。
J.S.Q.S.:日本鋼船工作法精度標準を示す。