(2) ブロックは主構優先で決める。
内構材(内部骨材)よりも主構材(外板、上甲板等の板材)のブロック継手の取合状態を考慮して、位置を決める。
これは次の理由による。
○重要部材の溶接欠陥をできるだけ少なくする。
○重要部材の残留応力及び歪発生を極力へらす。
○内構材の方が、ばらし、肉盛り、一部新替等の処置がしやすい。
○船体形状、寸法に対する影響を少なくする。
船型と共に保持しなければならないのは主寸法である。船の長さ、幅、高さの寸法精度は貨物船としての生命である積荷量に敏感に影響する。特に高さ寸法(型深さ)はブロック建造法においては不足しがちである。船底ブロックの水平精度、外板ブロックの建付け精度の不良が原因である。
船幅は溶接進捗に従って収縮することがよくある。予め収縮代を見込んで建付ける等の対策も必要である。
5.3.4 計測の仕方
ブロックの決め方において、計測とは単に形のでき上ったものの寸法をはかるばかりでなく、計測しながら正しく位置決めすることでなければならない。従って、計測と位置決めとは一体でなければならない。
計測に当っては、動かぬものを基準として、目に見える方法で、必ず骨の上で、できるだけ離れた点で行う。
(1) 水平の計り方
水平を正確に出すことは、ブロック決め方の基本であり、トランシット又はビニールホースをもちいて、水盛りによる。水盛りの方法は水の水平性を利用して、空間に水平線を形成し、これを基準線とする。