2.3.4 外板展開法
前にも述べた様に、特に曲り外板は非可展面である。この意味は曲り外板は近似的な展開を行なった上で、曲げ型を利用し、ある部分を縮める(或る時は伸ばす)ことにより、必要とする形状を得るものであるということである。従って極端なことをいえば、外板の四周を大きく伸ばしておき、時間をかけて、曲げ型や籠型(箱型ともいい、実物の模型と同じである)に合わせながら、あちこちを縮めたり、延ばしたり、必要があればさくなどすることで、最終的な形状を得ることもできる。しかし、これは工数的にも、また鋼材の硬化、材質の変化の面から見ても、決して適切なものではない。それぞれの曲り形状に適した展開法を採用することの重要性はここにある。
再度くり返えすが、曲り外板は非可展面である。前に説明した展開の方法を基礎にはしているが、コンパスやスケールで単純に幾何学的に展開することはできない。例えば野球のボールを1枚の平らな板から作る事は出来ないと同様である。外板展開が近似展開法といわれるゆえんはここにある。
外板展開法は、そういう意味で大変奥行きの深いものなので、本章の末尾に記した参考書をもとに勉強してもらいたいと思うが、代表的な展開法と、適用個所を一般的に表わすと第2・1表のようになる。