第2章 現図
2.1 現図作業の概要
現図作業は設計図から綱材の上に罫書くための型板を作る作業であり、次のように何種類かにわ、考えることができる。
(1) 線図作業
(2) 外板の展開作業
(3) 内構材の展開作業
(4) 曲げ型の製作
(5) 内構材の型取り作業
(6) その他の作業(船名文字や鋳物図)
設計図では、はっきりしない取合状況をはっきりさせたり、不具合点を訂正するのも現図作業である。普通設計図上で、発見できないというのは、縮尺になっているためであり、縮尺では、板厚だとか、逃げの状態がわかりにくいものである。現寸で描いてみて、種々な状態がわかるのであるから、現図工は、単に、設計図を現尺に引き伸ばして型を作っているのでは、意味がない。現尺に引き伸ばした上で、その部分の取合が頭の中に描かれなくてはならない。即ち型を作るときは、その面と、直角に交わっている面がどうなっているかを常に考える力を持たねばならない。
次に現図作業について注意しなければならぬことは、準備期間が比軟的長くかかるということである。線図のフェアリングからはじめて、型取り作業のときには、場所が制約される点から余り多数の人数もかかることができないし、また一つのブロックを数人の現図工が行うということは、部材の取合上で、まちがいをおかしたり、型を作っていない部材が出たりするのでさけた方がよい。加工等とちがって、できた型が、片っ端から、罫書ができるものてはない。型は1ブロック分作り終えたときは、全部を並べて、誤作がないかどうか、取合状況を確認するのが通常の作業手順だからである。
現図は、型定規を作って、罫書以降の工程に作り方を指示するのであるから、常に、現場からの問い合わせに対しては、答えられる体制になければならない。そのため、通常は、船が完成するまで、現図場の工事用線図は消さないでおいておく。
2.2 線図作業
現図場にかける線図作業というのは、工事用正面線図を作ることであって、次の5段階にわかれる。
(1) 設計図のオフセット・テーブルの位置を現尺に直してつける。
(2) 現尺において、オーディネイトのフェアリングをする。
(3) フレーム・ラインの割り込みをする。
(4) ランディング(シームライン)を決定して書き入れる。
(5) 内構材の必要個所を記入する。