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I. 事業目的と事業分担

 

1. 事業目的

我が国においても、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建物の建築促進に関する法律」の施行を契機として、各地区においてハンディキャップを持った人々と健常者が共に生きようとするバリアフリー社会の建設を目指した動きが本格化している。

このような時代の趨勢にあって、FRP造船業が企業として存続していくためには、地域に安定雇用の場を提供するという地場産業としての伝統的な役割の領域を越えて、身体に障害を持った人々が自らの本質的能力を発揮できる社会の提唱や高齢化に悩む漁業関係者にバリアフリーデザイン漁船の提案など、社会に受容され、若者たちを引きつける魅力ある産業像を経営理念として提示していくことが必要である。

このため、本事業において、身体障害者のセーリングを支援する特定非営利活動法人ヨットエイドジャパンが社会福祉・医療事業団の助成により開発した「日本の海にあった身体障害者用ヨット」の建造を援助するために、リサイクル性が高く、補修が簡単で、移動運搬可能なFRP成形用型を開発製作するとともに、さらに優れた機能性と快適性を備えた身体障害者用ヨットの開発を行い、ヨットエイドジャパンに提供することによって身体に障害を持った人々に開かれた海を実現するための活動を応援する。

また、FRP成形用型の開発に当たっては、成形用型の製作工程の自動化を実現するため、コンピュータ現図システムから直接成形用型を製作できるシステムを開発することによって、FRP造船技術の高度化・精密化及び技術継承のボトルネックを解消するとともに、次年度においては、各地において開発型を用いて、身体障害者用ヨットを建造しながら、バリアフリーデザインの普及、FRP積層の基礎技術の再教育及び品質管理技術の実地訓練を実施し、FRP造船技術のマンネリズムからの脱却を図り技術水準の向上に資する。

 

2. 事業計画

(1) 事業計画の内容

1] 身体障害者用ヨットの艤装品の研究開発

2] 身体障害者用ヨットの成形用型の開発

3] 試作艇の建造及び性能試験

 

(2) 実施の方法

(財)日本小型船舶工業会内に委員会を設置して実施した。委員会の名簿を表?T-1に示す。また所掌分担を表I-2に示す。

 

 

 

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