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I. ウェルカム・イン予約センター事業の目的

 

我が国を訪れる外国人旅客は、近年ますます従来の物見遊山的な旅行に飽き足らず、訪問先の人々との触れ合いを欲しており、小旅館、民宿、ペンションなどの家族経営の宿泊施設が提供する家庭的雰囲気やもてなしを大きな魅力と感じるようになってきている。

こうした外国人旅客のニーズに応えるためには、経済的で手頃な料金を提供する宿泊施設の利用の容易化を図る必要がある。しかしながら、これらの宿泊施設については、その宿泊料金単価が低く、支払い手数料が小さいため、旅行会杜の介在が採算上難しく、通常の商業ベースの流通経路には乗りにくいことから、外国人旅客にとって情報の入手及び予約が難しいのが現状である。さらに、言語障壁や文化・習慣の違いから、小規模経営の宿泊施設の間に、外国人旅客の受入れに逡巡が見られ、これが外国人旅客による低廉宿泊施設の利用を難しくする大きな原因となっている。

当財団は、平成3年4月1日に、わが国を訪れる外国人旅客による低廉宿泊施設の利用の容易化を図るため、外国人旅客向け宿泊予約センター(通称:ウェルカム・イン予約センター)を設立し、わが国で初めての外国人旅客専用の宿泊予約サービスを開始した。この予約サービスは、宿泊料金の廉価性を維持するため、手数料に類するものは、外国人旅客及び宿泊施設のいずれからも一切徴収しないものである。

本予約センターは、外国人旅客向けの予約あっせん事業を中核事業とし、彼等の利用に適し、手頃な料金で積極的に受け入れる宿泊施設の拡大と、これらの宿泊施設の外国人旅客対応力の向上を支援することによって、彼等が経済的で快適な日本旅行を楽しむことができるような受け入れ体制の整備に資することを目的とする。また、潜在的訪日外国人旅行者に対しては、訪日旅行に関わる言葉や費用に関する不安を少しでも軽減させることによって、さらなる訪日旅行者数の増大を目的とする。本予約センターは平成12年度、関係機関の理解と協力を得つつ、下記の事業を実施した。

 

1. 予約斡旋事業

2. 加盟宿泊施設拡大事業

3. 外客対応力向上事業

4. 広報事業

5. 調査研究事業

 

 

 

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