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優勝 札幌市役所GB同好会(北海道)

 

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決勝後半、ダブルタッチを決め、勝敗の行方を決定づけた後藤良雄選手(60)

 

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優勝カップを受け取る大場雅明主将(51)。今大会では主将に専念した。

 

準優勝 守田電気商会(群馬)

 

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ロング一発の威力で一気に決勝戦まで進んだ川田守主将(58)

 

札幌市役所GB同好会を徹底分析!

 

プロフィール

昭和61年、大場雅明主将(51)は札幌市役所互助会の職場対抗GB大会に参加して完敗。以後、真剣にGBに取り組み、大会には北斗クラブのチーム名で出場し、その年の9月、第1回北海道地区選手権大会(白老町)で優勝を飾る。会員は5つのグループ(豊平、西、南、北、中央)に分かれ、各区の協会に登録し、自主的に活動している

 

戦績

昭和63年、第4回全日本選手権大会に出場し、決勝トーナメント2回戦で敗れるが、北斗クラブの名を高めた。その後、平成3年から3大会連続出場を果たす。全国選抜大会は平成4年の第7回大会から4回出場しているが、長い冬のあとの5月開催という季節的な障壁のため、練習不足を克服できていない。

 

戦法

作戦は、相撲でいうナマクラ四つ。相手次第でどのようにでも変化する。ただ、トスで勝つと先攻を取る傾向があり、自分の土俵で勝負をするチーム。技術力はダブルタッチのセットづくりが巧み。今大会では、事前に第1回大会のビデオを再検討し、対戦が予想されるチームを分析。コートをチェックした時点で、強攻型は不利と読み、準決勝まではオーソドックスな先行逃げ切り型に終始し、準決勝から得意のダブルタッチ攻勢に切り替えて王座を守った

 

練習

職場のコートで昼休みの30分間と、自宅近くのコートで大会前の土曜、日曜日に練習。とくに大会前は、大場主将が各選手のクセや調子を把握することに重きをおいた

 

この大会の特長は、開会式の前に予選リーグ戦の組み合わせ抽選会が行われること。いやがうえにも興趣が盛り上がる。抽選の結果、有力チームがうまく16コートに分散し、レベルの高い決勝卜一ナメント戦が期待された。

コートは、6月から降雨が少ないため、天然芝が枯れたということだったが、青草の部分も残されていた。サッカーなどの球技にも使われるので、芝に隠れた窪みでボールがジャンプするものの、まずまずといった条件だった。このコートでは作戦的に細かいテクニックを駆使するチーム、あるいは一気のロングタッチねらいのチームよりも、手堅いボール配置を心掛け、相手のミスに乗じたゲーム展開のアヤで勝利を得ようとするチームが有利だった。

予選リーグ戦、最大の激戦区は11コート。第1回大会準優勝の福井県のスーパーキング(前回はシャトルのチーム名)、同ベスト8のマツダ広島、今年の全国選抜ミドルクラス優勝の栃木の立役者・柴崎雅晴選手(30)を擁する栃木市施設振興公社、オープン大会で活躍しているザ・ワカヤマ.有田の母体であるGB商会・和歌山の4チームの組み合わせとなった。このなかから、マツダは初戦でスーパーキングを下してリズムに乗り、和歌山、栃木を撃破した。このように、決勝卜一ナメント戦に進出した16チームは、実力的に全国選抜ミドルクラスに出場してもおかしくないチームがそろっている。

その決勝卜一ナメント戦は、上側のトーナメント枠に有力チームが集まり、初戦から接戦が続いた。ここから前大会優勝の札幌市役所GB同好会が1回戦で桜花寮(新潟)に12]-12の内容勝ち。続く2回戦、実力ともに事実上の決勝戦ともいえる東京製綱(岩手)戦では、終盤までリードを奪われるが、大場主将の「気楽にいこう」の言葉にメンバーは落ち着きを取り戻し、終了2分前に逆転し13-9で勝利。準決勝では大胆な作戦に転じ、手堅い攻めのテイジン松山(愛媛)に21-11と快勝し、決勝戦に進んだ。

下側のトーナメント枠では、島根県警の安心倶楽部が組織プレーで快進撃、ビオラ能登(石川)、マツダ広島に快勝し、準決勝に進出。かたや、長打一発でゲームを決める守田電気商会(群馬)は、まず1勝のユメを第13回全日本選手権ベスト8の新生会(岩手)に13-6と勝って実現し、黒田精工(千葉)を11-7と下し、ますます調子が出て、その勢いで安心倶楽部をも12-9と破り、決勝戦に臨んだ。

決勝戦は作戦重視に転じた札幌が先攻、1番川田隆司選手(33)、2番川田守主将(58)、3番川田政香選手(56)の重量打線、長打力で機先を制してきた守田電気が後攻で、試合開始。1巡目、札幌は第4コーナー方面に赤4球を集める。守田電気は白2・川田隆司選手が第1ゲート未通過となったため、白4、白6、白8をスタートに温存し、白10・佐藤選手を第1ゲート通過させて、第1ゲート後方に戻らせ、札幌の動きを封じようとした。2巡目、白2の白10へのタッチがジャンプし、不発。しかし、札幌の赤3・山川選手もダブルタッチのつなぎダマの赤9へのタッチを失敗、ミスを分け合う。その後、守田電気が白3球を第2ゲート周辺に集めたところで、赤9・後藤選手のダブルタッチが決まり、白ボールを一掃し、勝敗の行方を決定づけた。札幌は以後5回のダブルセットで、守田電気をおぴやかし、ボールの連係を絶ち、つけ込むスキを与えない。守田電気の白4、白6の苦しまぎれのロングタッチも不発に終わり、そのまま札幌が9-5と逃げ切った。札幌は前大会から通算して13連勝、2連覇の偉業をなし遂げた。

 

 

 

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