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試験基準勧告(第70回海上安全委員会決議MSC81(70)救命設備の試験に関する勧告改訂版抜粋)

 

12.6 性能 MSC.54(66)

12.6.1 全ての関連した救命いかだの進水及び膨張を含め、港湾内でのシステムの完全な展張によって、システムが満足できる退船手段を与えることを確認する。この試験に使用する人数は、このシステムに証明される定員数とする。規定時間内に退船できる人数の計算ができるように、この試験の様々な段階の時間を計ること。

 

12.6.2 関連した救命いかだの進水及び膨張を含め、洋上でのシステムの完全な展張によって、ビューフォート風力階級6、かつ、有義波高が少なくとも3mとなる海象状態で、システムが満足できる退船手段を与えることを確認する。海上公試の間、記録された波高のスペクトル分析が実施されること。信号は、うねりによるいかなる影響も取り除くために0.08Hzで高域フィルターにかけること。有義波高は、フィルターにかけたスペクトルに基づいて計算するものとし、30m以上であること。試験は次に示す手段に従い実行されること。 MSC.81(70)

.1 第1段階―システムの最初の展張

1] 航行不能状態で船首を風上に向けた船を模擬し、降下路及びプラットホーム又は他の構成によるシステムを通常の設計された手段で展張する。

2] プラットホーム担当乗組員が降下して退船準備の初期の作業を実行できるように、その状況下で安定した退船システムが形成されることを確認するため、プラットホーム及び降下路を船から観察する。

.2 第2段階―風下舷の試験

1] 船をシステムが風下舷に位置するように移動し、その後、漂流させる。

2] プラットホームを有するシステムの場合、指定されたプラットホーム担当乗組員が降下路を経由し降下し、少なくとも2個の別々に進水した救命いかだを引き寄せる。

3] 救命いかだに直接到着する降下路を有する場合、指定された救命いかだ乗込み担当乗務員が降下路を経由し降下する。このシステムに追加の救命いかだが使われる場合、その後、それらは別々に進水され、救命いかだ担当乗務員によって引き寄せられること。 MSC.54(66)

4] 救命いかだが満足行くように展張された後に、安全を考慮し、適当な保護衣を着用した20人が降下路を経由し救命いかだに乗り移る。

.3 第3段階―風下舷の負荷試験

1] (設置されている場合には)プラットホーム、及び、要求される数の救命いかだに、一人当たり75kgに相当するウエイトでそれらの証明された人数分を負荷させる。

2] 要求されるウエイトを負荷したとき、船が漂流する状態において、システムが安全及び安定した退船システムであり続けることを確認するため、システムを30分間、観察する。

.4 第4段階―風上舷の負荷試験

1] 12.6.2.2及び12.6.2.3に規定する試験は、船の風上舷に展張させたシステムで繰り返すこと。風下舷の試験及び風上舷の試験は、いずれか都合の良い順序で行うことができる。

2] 船の移動がシステムをいずれか一方の舷に置くことために要求される場合、この移動の間に被るいかなる損傷又は故障もシステムの故障を作ってはならない。

3] システムは、実行可能な限り、装置が取り付けられる船の種類に似た特性を持つ船で試験がなされること。

 

 

 

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