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2. 事業の目的

船舶の海難事故における捜索救難をより効果的に行なうためにGMDSS(Global Maritime Distress and Safety System:全世界的な海上遭難・安全システム)が導入され、1992年2月1日から完全実施された。

GMDSS救命設備の一つであるレーダー・トランスポンダー(以下[SART]という。)は、船舶安全法の規程に基づき船舶に搭載されており、海難事象等で本船から退船する場合は、これを携行することとなっている。

しかし、暗夜や時化の海上で本船から救命いかだ等に移乗する場合に、SARTを携行することは容易ではなく、海上に落下させることも懸念される。

本調査研究は、海難等の場合に本船からSARTを搬出する余裕がない場合に、海中に投下し、又はその余裕のない場合においても本船が沈没した時に自動離脱し、浮遊しながら捜索船等のレーダー信号を待ち受ける状態にする投下式SARTの実用化に向けての調査研究を行い、海上における人命の安全確保の向上に寄与することを目的とする。

 

3. 事業の実施方法

3.1 事業実施計画

事業の目的が小型軽量かつ浮遊状態での作動が可能な投下式SARTの実用化にあることから

1] SARTの小型軽量化に関する調査及び浮体の構造等に関する調査

2] 前項の結果を踏まえて、試験用モデルを作成して水面における諸試験を行う。

3] 前項の結果を基に、試作品による実海面における試験を実施し、所要の資料を得る。

4] 前各号を基に、総合的な検討を行い、実用化のための指針を得る。

このため、(社)日本船舶品質管理協会内に、委員会を設けて、資料の収集、検討評価、諸試験及び最終的な評価を行なう。

 

3.2 委員会の構成

本事業を実施するため、学識経験者及び関係官庁並びにSART及び浮体メーカー及び整備事業の関係者からなる委員会(投下式レーダー・トランスポンダーに関する調査研究委員会(投下式SART委員会)及びその下部機構として作業部会(投下式レーダー・トランスポンダーに関する調査研究作業部会(投下式SART作業部会))を設けた。

委員会及び作業部会の構成は、表3.2.1及び表3.2.2のとおりである。

 

 

 

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